岩場での三点確保②(降り方)

次回に続きで今回は岩場での降り方について説明します。
岩場での通過では、降りるのが苦手と言う方がとても多いと感じますが、その大きな理由の一つに、足を置く所が見つけられないことがあるかと思います。よく足場を足で探るような動作をする方がいますが、残念ながら足の裏には目はありません。必ず自分の目で足場を確認して、足を置く必要があります。
もう一つ大切な事は、足を降ろす前には身体を低い位置に持っていくことです。こうすると安定した降り方ができます。
手足の動かし方を写真と文章で説明していきます。写真枚数が少なくちょっとわかり難いかもしれませんがご了承下さい。

①この写真では、すでに両手が低い位置の岩を掴んでいます。高い位置の岩を手で持っていると身体が伸びきってしまうので、足を次の足場に移動しようとしても、狭い(短い)範囲しか足を動かす事ができません。

②次に身体を低い姿勢に持っていくため、写真では腰を落としています。この際、身体の左右から次の足場を自分の目でしっかり確認します。

③確認した足場に足(ここでは左足)を移動します。わかりやすく説明すると、腰を落とす事により下半身(足)をたくさん伸ばす事ができるので、広い範囲からより良い足場を選んで足を移動できます。

④両手と片方の足でしっかり支持(三点支持)し、最後の足(ここでは右足)を移動します。
後はこれを繰り返すだけです。


ポイント

「腰を落としてから足を出すと楽ですよ」と指導した方からは、足が今まで届かなかった所に届き、足が長くなった気がすると言われました(曲げた足が伸びるのですから、当然遠くの足場に足を置く事ができるはずです)。
最初は前を向き、左右どちらかの手でやや低い位置の岩を掴んでから屈み、最初の足場を確認します。それから身体を反転して後ろ向きに降りると、安定すると思います。
よく前向きで岩場を降る方を見かけますが、これだと落ちた際には顔面から落ちていく可能性があります。後ろ向きで落ちた場合は、運が良ければザックから落ちる可能性があるので、私は後者を進めています。

※重要
掴む岩は、必ず動かないか確認してから使いましょう。自然の岩場では動く石(浮き石といいます)は、かなりあります。
また岩場を無事に通過するためには、自分自身の目・手などすべてを使って行う事が大切だと思います。