岩場での三点確保①(登り方)

今回は一般道における鎖場がない場合、もしくは不安定な鎖しかない場合の岩場の登り方について書きます(鎖場の通過方法は記載済)。
内容は、クライミングでロープを使用しないで登る技術と同じですが、色々な危険要素がある技術でもあるので、練習は安全が確保できる場所で、良き指導者に指導してもらい習得する事をお勧めします。

(1)三点確保(三点支持)とは?

岩場での基本的な登り方のことを「三点確保(三点支持)」といいます。
岩場を登る際の体勢は、両足(2点)、両手(2点)の4点で体を支持しますが、そのままでは移動できません。従って手足のうち1点だけを動かし、残り3点は安全のために支持する動きという意味です。
(梯子をイメージしてもらえれば、理解しやすいかもしれません。つまり、梯子を安全に登るためには、最初は片手を上げ、しっかり梯子を持った後にもう一方の手を上げる動作と一緒です。)

(2)手足の動かし方

写真で説明します。
①両足を揃えてスタート(実際には地面からスタートと思ってください)。

②安定して足を置ける場所を探して、片方の足(ここでは右足)を移動します。
 ※登りの際は、まず手ではなく足を上げます。

③同じように、もう片方の足(ここでは左足)を移動します。

④両足が上がったら、次に片方の手(ここでは右手)を移動します。

⑤同じようにもう片方の手(ここでは左手)を移動します。
写真では少し高い位置に手を伸ばしていますが、現実的には近い所に良い場所があればその方がいいです。近い場所に無い場合でも、写真のように踵が上がらない範囲であれば体勢は安定しています。


上に上がるまでこれを繰り返します。実に簡単な動作ですが、この動作が一番バランス的に安定します。
ただしここでは、縦走路などで出てきた高度差の少ない岩場の通過方法として説明していますのでロープを付けていませんが、高度差がある場合はロープをつけるべきです。


※注意点

まず登る前に、何処に足を置くか下でルートを確認します。
⇒これを「ルートファイデング」と言います。この際多くの方は、手の持てる所ばかりを探しますが、足を置ける所は必ず手も持てるので、足を何処に置くかの方が重要です。

先に足を安定した所に上げる事が重要です。無理に高い所に手を伸ばすと、体が伸び切って不安定になります。また踵が上がってしまい、足の一部しか岩に荷重をかける事ができません。基本登りは、足を先行させてから手を伸ばして、持てる所を持って身体をあげて行きます。

次回は降り方について書くようにします。