山でバテないためのトレーニング③

山でバテないためのトレーニングの最終回になります。
今回は持久力についてです。持久力をアップする方法は幾つもあると思いますが、ここではもっとも重要な「心肺機能」についてのみ書きます。
最初に書いたように、登山は長時間にわたる有酸素運動です(有酸素運動とは、簡単な話あまりキツクない運動で、エネルギーとして脂肪 と酸素が必要な運動です)。行動食を適切に取っていれば、後はいかに酸素をうまく取り入れることができるか、という事になります。

心肺機能アップのトレーニング方法

一番簡単なのはジョギングだと思いますが、やや辛いし、膝などの 故障も心配ですよね。そこで、私がお勧めするのはウォーキングですが、ただ歩くだけではトレーニングとしては不足なので、それなりの工夫が必要となります。私の場合は、水を入れた大きいペットボトルをザックに入れて(疲れたら水は捨てれば良い)、なおかつ平地ではなく、登り下りのあるコース(街中でOK)を少し早足で歩くようにしています。
つまり、実際の登山に近い形のトレーニングをすることが有効だと思います。水の量や時間は、あまり無理をしないで各自の判断で構いませんが、慣れたらある程度は負可や時間を増やさないと効果は薄いと思います。
そもそも、数時間もしくは数日を要するスポーツに対して、一日10分~20分のトレーニングで高い効果を求めるのは無理があるで しょう。

また、別の内容になってしまいますが、おまけでトレーニングが続かなくなる原因について書いてみます 。

トレーニングが続かなくなる要因 ⇒対策
①辛い
 ⇒ ●軽い運動から始め、無理はしない
②飽きる
 ⇒ ●色々な運動の組み合わせを考える。
    ●ウオーキングなどはルートを色々変えてみる
③時間が取れない
 ⇒ 生活の中でできる事を考える。たとえば
   ●できるだけ車は使わない
    (少し恥ずかしいけれど、買い物は歩きでザックを持って行くなど)
   ●エレベーターやエスカレーターは使わない

トレーニングは、やれば確かに効果もあり重要ですが、正直あまり面白いものではありません。
ある有名な登山の運動生理学の先生が、登山者を車に例えて「エンジンは筋力、ガソリンは脂肪や酸素」と言っていました。私はこの例えにとても関心したのですが、私なりに例えるなら、トレーニングとは登山能力を安定させるメンテナンスのようなもので、しっかりやれば長い間登山ができる(車なら長く走行できる)ためのものではないでしょうか?

逆に登山が飽きないのは、例え辛い急登があっても、自然と触れ合い、また景色などの変化があって、楽しいから登れるのだと思います。そういう意味で、トレーニングは大切ですが登山という特殊性を考えると、実践に近いトレーニングに勝るものはないのではないでしょうか?
そうなると結論は、一番最初に書いたのが答えで、たとえ低山でも
"たくさん山に行くことが最良のトレーニング"だと思います。