沢登り教室 新茅ノ沢

神奈川県山岳連盟 登山教室
2014年4月26日~27日

神奈川県山岳連盟主催の沢登り教室に講師として参加してきました。

登山における膝痛②

私がやった事はまずはしっかり休養でやはり休むべき時はしっかり休むべきでそう出ないと返って長引く事も有ります。
それ以降に幾つかの事を実践しました。

まず短期的な事。
(1)ストックの使用
正直余りストックは使わないタイプでしたがやはり膝を故障した時には有効です。 但しただストックを使えば良いと言う訳では無く膝に負担を掛けないストックワークをマスターする事です。
詳しいストックワークに付いてはこの初めの1歩の中に書いて有りますのでそちらを参照して下さい。
要はストックが先に地面を捕らえてその後に柔らかく足(膝)が追いかけて来るようにすれば良いのです。
膝の保護を主体と考えた場合少し普段と違う降りのストックワークとなるので下記に説明します。
※通常ストックはバランスを取る用具で体重を掛ける物では有りませんが短期的な膝痛をカバーするという使用方法なのでこの場合どうしても有る程度ストックに体重がかかってしまうので強度の有るストックで行う必要が有ります。(今流行の細いストックでは危険です。)
①持ち方は通常と異なりストックの頭の部分を握り締める様に持ち、長さもかなり短めで私の場合腕からの角度は45度位の長さにしています。


②写真では解かり難いのですが右ストックがすでに地面についていてその後左足が着地する場面です。



③その後踏ん張るのでは無く膝が自然に曲がる様に着地します。

何回か実践した感想ではこのストックワークをマスター出来ればかなりの膝に関する衝撃をカバーする事が出来る可能性が高いと言うのが実感でした。
(2)膝用のサポーターの使用
私の場合は登りで使う事は無く降りが始まる時に使用。それだけ降りに衝撃が掛ると思っています。
予防的感覚で使いましたが余りガッチリした物では無く膝回りのみマジックテープで止めるタイプで価格も2000~3000円位だったと思います。


その他に此方の更に簡易的な物も有ります。


※これらは1ケ月程使用しましたがそれ以降はストックも含め使用しない様にしました。
理由はストックを使わない方がよりバランスの筋力維持には良いのでは言う自分なりの考えの為です。(ストックに付いては意見は色々有りますのでメッリト・デメリットを良く理解して使うか使わないか自分で判断した方が良いかと思います。)
サポーターも膝回りの筋力さえ強化すれが必要ないし、ストック同様サポーターがない方が登山中にも筋力は付いて行くはずと言う考えです。前に整形外科の先生にも言われた筋肉と言うサポーターを着けなさいと同じ意味です
要は色々な道具に助けて貰っている間に根本的な対策をやろうと思った訳です。

恒久的な事(勿論短期的対策と併用しました。)

(1)歩行技術の見直し
意識して歩くと自分に幾つかの癖が有る事に気が付き修正。
例えば右足だけ開き気味・左右の歩幅が違うなどです。また正しい歩行技術を習得す為にかなり勉強しました。(歩行技術についても初めの1歩に記載済み)
この頃に覚えた降りの時に踏ん張るのでは無くリズミカルに軽く膝を抜く技術がもう40年近く登山を続けてもあの時の以来膝のトラブルがない1つの要因と思って感謝しています。ですから私は登山教室でも歩行技術に1番時間をかけています。
(2)減量
中々難しいとは思いますが効果は確かに有ります。特に降りでは平地の最大7倍の衝撃が掛かると言われています。
つまり【70kg(体重)+20kg(ザック重さ)】×7=630kg
一方50kg人なら 【50kg(体重)+20kg(ザック重さ)】×7=490kg
その差140kgの衝撃が1歩1歩の差となってしまいます
ひざ意外にもある教本にはこんな計算式が有ります。体重×行動時間×5がその登山者に必要なカロリーと水分と言われています。
つまり体重差が20kgで8時間行動ならば行動食で800カロリー(おにぎりだと5個分で500g)+水分で800cc(800g)合計1・3kg余分に持つか?少なく済むかの差になります。
個人差は有りますが通常の日帰り登山の場合5kg~7kgと言われるので1・3kgは決して無視する重量では無いかも知れません。
まあ食べきれないほどのお菓子を持って来るお客様は結構いますが。(いや失言でした。)m(_ _)m
当時、特に太ってはいませんでしたがそれでも5kg位は減量したと思います。おかげでクライミングも少しは上達したかも?(^:^)
(3)筋トレ
此方も始めの1歩に書いて有るので詳細は割愛しますが私がやっている膝の筋トレは以下の筋トレです。
写真は左足の膝の筋トレで足幅はやや広めにします。手を上げるのは負荷が上げた方が掛かる為。


全体を沈み込ませる様にして前に出した膝周りの筋肉にしっかり負荷がかかっている事を意識する事です。5秒~10秒停止。

そのまま上に引っ張られるように立ち上がります。この時もしっかり左膝の筋肉を使って立ち上がります。
ポイントは左右のバランスを同じにする事でもし左膝が弱い(筋力)ので有れば左膝の筋トレを30回、右膝の筋トレを10回など私の場合は工夫しました。テニスなどはどうしても利き腕中心なので左右の手の長さは数センチ違うと言われます。登山の場合左右の同じ位の筋力の方がバランス的にも有効とおもいます。
回数に関しては人それぞれと思いますが最初は少ない回数で1日3S位でしょうか?私の場合は今は左右のバランスは取れているようなので10回を3Sやっています。 ④身体のメンテナンス
登山前や特に下山後のストレッチは念入りにやるようになり歩き過ぎたかなと思ったら膝のアイシングなど自分の身体に気を使ける様になりました。例えば温泉に入る前には冷水シャワーを膝周りに掛けてのアイシング。風呂に入らない時には冷感スプレーで膝の熱を取るなど。本の一例ですがこれ意外にも自分の身体をいつも意識する事が大切かと思います。

私の経験が必ずしも皆さんの役に立つかは解りませんがこれは言えると思います。
登山はスポーツです。強いて言うなら1部の部門を除き他人と競争しなくて良いスポーツです。
スポーツで有る以上トレーニングと身体のメンテナンスが必要なはず。それを何ものしないで突然試合(登山)をすれば身体も故障するし、怪我をするかも知れません。
多少の努力もしていつまでも楽しい登山を続けて頂きたいと思います。

登山における膝痛に関して①

お客様から良く膝の痛みの事を相談されるので私の知る範囲ですが膝痛について書いて見ることにします。
但し私はお医者様では有りませんのであくまでも私のガイドとしての経験や自身での予防も含め実践した内容ですので全ての方に当てはまる訳では無いと思いますので自分の責任で自分にあうようで有れば試して見るのも良いかも知れません。
また本格的な膝の痛みにお困りの方は専門医に相談する事をお薦めします。

(1)症状

私のお客様の場合ほぼ80%以上が下山の時に痛み出すそうで痛い場所は色々ですが膝回りの上下、或いは膝の左右や裏側が痛いと言うお客様もいて人により様々のようです。
また階段の降りが長いと特に辛いと聞きます。


(2)原因

①登山は特殊性の有るスポーツで他のスポーツには1日中、起伏の激しいコースを数時間も歩き、場合によってはそれが数日も続くスポーツはとても少ないと思われます。更にテント縦走となれば15~20kgのザックを持って歩くのですから膝にある程度の負担が来るのは仕方ないかも知れません。

②加齢の為の膝軟骨の減少
個人差は有るとは思いますが過剰に酷使すれば当然軟骨は減少しますし加齢による場合も有ると思います。またその影響がその他の身体の部位に色々な負担を掛ける事は想像出来ます。こんな事書くと山屋人口が減ってしまうかな(o^^o)

勿論それ以上の身体的効果や精神的快感が有るので私も皆さんも登山を続けている訳ですが?

*ここからが本題。
しかし全ての登山者が膝痛になっている訳ではありません因みに私はもう40年近く山に登っていますが殆ど膝痛はなった事は有りませんと言いたい所ですが実は20代後半に膝の痛みを覚え下山時にはサポーターとストック無しには下山出来ない時期が2ケ月程有りました。
原因は自分が1番良く解っています。昔は岩登りの終了後、頂上から運動靴でビール飲みたさに殆ど走って下山していました。(^_^;)
言い訳ですがバリエーションの場合は岩にしても沢にしても専用靴を履き、またガチャ(カラビナやその他の登攀具の事)やロープを持つ為ミドルカットなどの登山靴は大きくてザックに入らないんです。
走ったのはただの飲んべえなだけですが(^_^)ゞ
要は無茶な歩行を続け膝が悲鳴を上げた訳です。


その時原因

雑な歩行技術とスピードの出し過ぎ。

しっかりした登山靴の未着用。

下山後の身体のメンテナンス不足等々です。

山に行けなくなっては大変と思い休養と全ての原因の対策をして1月半後には通常の山で有れば完全復活しました。
長文になるの次回は私が何をしたかなどを具体的に書きますのでお楽しみに(o^^o)

目指せ南アルプス塩見岳(3047m) ③

4.天狗岩~塩見岳西峰~天狗岩
               (標高:約2850~3000m)

【アイゼン歩行:雪と岩のミックス】
塩見岳頂上付近のような岩稜帯では雪が風で飛ばされてしまうため、岩と雪が混ざったミックスの状態が多くなります。
このような場所では、岩の上をアイゼンで歩くことになります。 アイゼントレーニングとして、沢を歩く訓練を行うのはこのためです。
特に手を使って三点確保で登るような急登では、アイゼンの前爪2本にのる感覚を覚えておくと有利です。小さな足がかりでもアイゼンの爪で乗ってからだを支えることができるので、高い所に手を伸ばすなど無理な姿勢をしなくて済むはずです。

5.天狗岩~塩見小屋~権右衛門山付近
              (標高:約2600~2850m)

【アイゼン歩行:直降、斜降】
下りも登りと同じように、緩やかな下りもある程度の急斜面もフラットフィッテイングでクリヤできます。ただしもっと急になったら斜めに下ってください。足の置き方は登り方と同じですが、谷足をさらに開き気味にしたほうが良いかもしれません。

6.権右衛門山付近~本谷山~三伏峠/
  三伏峠~塩川小屋  (標高:約2600~1300m)

樹林帯に入り、急な斜面が終わったところでアイゼンを外します。 途中から雪が降りはじめ、トレースが消えかけてきました。
今日の行動時間はすでに9時間近くになり、疲れもピークに達するころです。安全な樹林帯で気も緩みがちですが、最後まで気を引き締めて下ってください。
あとはこの満足感をつまみに、テントでお茶や酒で盛り上がりましょう。お疲れさま!!

★雪上歩行について
最後に。今回は省略しましたが、歩行とピッケルワークは車の両輪のようなものです。こちらも十分に練習を積んでください。

目指せ南アルプス塩見岳(3047m)②

2.三伏峠~本谷山から権右衛門山付近 
             (標高:約2500~2600m)


【アイゼン装着】 
緩やかな樹林帯の尾根を稜線まで上がります。 最初は三伏峠までと同じように登山靴でのフラットフィッティングです。ただ、この日は稜線に出てからアイゼンを付ける可能性が高いため、樹林帯の途中でアイゼンを装着しました。
慣れない初心者が風の強い稜線上でアイゼンを付けたり、いきなり危険な場所をアイゼンで通過することは難しいです。また早く付ければ、アイゼン装着状態の良い悪いも確認できます。
風がなくスペースを確保できる場所でアイゼンをつけて、アイゼン歩行に慣れてから本番を歩くことができるように早めに対応してください。
ただし、これから行くルートの状況(傾斜、樹林帯かどうか、など)を地図で確認してから考える必要はあります。

3.権右衛門山付近~塩見小屋~天狗岩 
            (標高:約2600~2850m)


【アイゼン歩行:直登、斜登】
樹林帯を抜けると風があり、雪面も堅くしまっています。いよいよアイゼン歩行の本番です。
アイゼン歩行の基本もフラットフィッテイングです。アイゼンの爪をすべて雪面にくい込ませるようにして歩きます。そのとき、アイゼンの爪を自分のスパッツに引っ掛けないように注意してください。 
斜面が急になったら、足を逆ハの字に開いて登る方法もあります。もっと急になったら斜面を斜めに登ってください(斜め登行といいます)。その時の足の向きは山側が進行方向、谷側は爪先をやや外側に開いた足の置き方をします。

★斜め登行の裏技
谷側のやや開いて置く足を山側の足のつま先あたりまで持ってくると、1歩の歩行距離が倍加して早くなります(なかなか文面では伝えにくいのですが…。ただしこれは少し慣れてからすること)。

目指せ南アルプス塩見岳(3047m)①

この文章は、山岳会の冬合宿(年末の厳冬期)で塩見岳を目指した際に私が色々行動中に指導した内容を後輩が纏めてくれたモノです。
内容は歩行技術に絞り、実際の塩見岳をたどったコースで説明してあります。また厳冬期の南アの3000mの山ですから、必ずアイゼン12本爪とピッケルを使用という前提で書いてありますが、一部の技術は低山の雪山でも応用できます。
行程(文章)が長いので、何回かに分けて書きます。何かのお役に立てば幸いです。

1.塩川小屋~三伏峠 (標高:約1300~2600m)


まず、雪上歩行の基本は二点支持です。これはつぼ足でもアイゼンでも変わりません。ピッケルと2本の足のどれかに荷重している状態を保ちます。滑りにくい歩き方は基本となる静移動、静荷重ですが、踏み出すときにしっかりと体重移動することが大切です。
よく、歩くときに左右の肩が上下する人がいますよね。あそこまでは極端にしても、踏み出した足に体重移動することを常に意識してください。
ピッケルの場合は持ち方の基本は、登りも下りもピックは後ろ向きです。ただ、一部の技術書にピックを前に持つと書いてあるものもありますが(すぐにピックで雪面を打ち止められる可能性があるため)、基本的には滑落姿勢が取りやすいピックが後ろ向きの持ち方が基本です。

【登山靴での登り:フラットフィッティング】 
今日は樹林帯をひたすら登ります。 今回のようなメジャーな山域は、年末年始ともなればいくつものパーティーが入山します。そのため降雪直後の先頭パーティーでなければ、人がつけてくれたトレースをたどって歩くことが多いです。緩やかな斜面やトレースの上を歩くときは、靴底全体を雪面にのせます。これをフラットフィッティングといいます。ポイントは、フラットに足を置くときも雪面を靴底全体で押しつけるようにしっかり踏むことです。

★トレース泥棒の裏技
すでにあるステップを使うときには、既存のステップより数センチ前に足を置きましょう。後ろに置くとかかとの部分がステップよりはみ出して不安定になり、結果的にステップを崩すことになります。無駄な体力を使うし、後ろを歩くメンバーも同様に疲れます。これは下りも同様です(下りでは踵をステップより少し手前に置きます)。

【登山靴での登り:キックステップ】
傾斜が急になりフラットフィッティングでは滑るようなときは、雪面を爪先で蹴りこみます。これをキックステップといいます。ポイントは一回目でしっかり蹴り込むことです。よく何度もキックを繰り返す人がいますが、あれはほとんど意味がありません。靴の裏にはビブラム(ギザギザのこと)があり、これが雪面を捕えれば良いので過剰な階段(ステップ)は必要ありません。

次回②に続く

ツアーで良く使う山言葉について

講師や添乗員さんが普通に使っていても、実はお客様にはその意味の良く分からない言葉もあると思います。
ここでは、あくまでもツアー時にスタッフが使うだろうという言葉で、もしかしたらお客様には理解しづらいのではないかという言葉に限定して説明します。また内容は、本格的な登山とは少し違う意味合いで使われている言葉もある事をご承知下さい。

地形編

肩     頂上付近の広い平らな部分)
やせ尾根 (両側が切り立った細い尾根で馬の背とも言う)
枝尾根  (中心となる尾根から枝別れしている短い尾根)
コル・鞍部(尾根を結んだ線で窪んだ所)

道具編

※ここに出て来るトハンとは岩登りの事
赤布    (ルートを示す標で、テープの場合や色も黄色の場合もある
        林業の標しと 間違えないように)
ヘッデン  (ヘッドランプの事)
ガチャ   (カラビナを含むトハン道具)
軽アイゼン(通常4本~6本の爪が付いた雪の上を歩く道具)
スリング  (テープや細いロープで輪になっているトハン道具)
簡易チェストハーネス(ツアーではスリングを使用して簡単に作れる
              上半身の安全ベルトで本格的に岩登りには不可)

行動中編

1本取ります     (休憩の事)
お花摘み・キジ打ち(トイレの事)
セルフビレーを取る(ロープやスリングを使い木などと自分の身体を結び
              墜落を防ぐ自分を守る行動)
ゴボウで登る    (鎖やロープに全体重を掛け手で登ってくる行為)
ビバーク       (ツアーの場合はトラブルによる仕方なくする野営
             で基本的にはあってはならない)

勿論これはほんの1部です。少しでもお役に立てばよいのですが(^o^)

高山病について

先日、私がお世話になっている旅行会社の高山病のセミナーが有ったのでお手伝いがてらお客様と一緒に勉強して来ました。
ここでは私の意見も多少入れながら皆さんのお役に立ちそうな事のみを書く事にします。

(1)高山病の原因
①簡単な話、高山では気圧が低く酸素が薄いので酸欠状態になるという事です。
②なぜ酸欠状態が悪いのか?
酸素は人が活動するのに絶対に必要な物(酸素は呼吸によって取り入られ血液と一緒に脳の働きや運動エネルギーとして使われる)
(3)症状
高山病にも幾つかの分類が有るようですがここでは省略して実際の症状はめまい・眠気・吐き気・脱力感・食欲不振・脈拍が上がるなどなどここで大切なことは症状が高山病なのか?或は体調不良なのか?を判断する事。→それにより対策が打てる。
(4)予防及び対策
水分補給
※高所では湿度が低くまた呼吸回数が多くなる為口から水分が出ていってしまうので血液がドロドロになると酸素が上手く運べなくなったり脳血栓や心筋梗塞のリスクも上がってしまう。
エネルギー補給
※高所ではエネルギーの消費が高くなるので適切な補充をしないと体力の低下。体温の低下が起こり適切な判断力や免疫力が落ちてしまいます。
ゆっくり歩く
※高山と言う事だけで体力は落ちるそうで平地を100%とすると4000mでは80%だそうです。通常一般登山者では1時間辺り標高差300mと言われます。(富士山はもっと遅く歩く事。)それに比べ駅の階段を普通に歩くスピードでも1時間辺り700m登るスピードだそうです。山では意識してゆっくり歩く必要が有ります。
呼吸法
※如何に酸素を上手に取れ入れられるかが大切でまずは意識する事。ゆっくりした呼吸を心がけて休憩時や安静時はしっかり吐いて複式呼吸が有効。

(5)その他
※小屋で寝られないからと言って睡眠薬等の使用は酸素が取り入れ難くなり、また起きてからの行動中にまだ薬の影響が有る可能性も有るそうです。
※飲酒は悪いことは有っても良い事は1つも無いそうなので富士山では諦めましょう。1部の小屋では酒類の販売を自粛している所も有ります。(下山してからのビールなどを楽しみにすればよいのではないでしょうか?
酸素缶については諸説有るようですが今回の講習ではどちらでも構わないが通常の酸素缶は連続2分しか持たないのでと言っていました。私の知り合いの富士山ガイドの方はゆっくり登る事により身体が低酸素に慣れて来ているので酸素を吸っても大きな効果は期待できないかも?聞いた事があります。どちらにしても酸素を吸い続けるならまだしも根本的な呼吸方法の習得や先ほどから書いた予防の方が大切な気がします。これから富士山などに行く予定の有る方が高山病に対する不安が少なくなればと思い書きました。

登山靴の靴ヒモの結び方

お客様からの希望なので靴ヒモの結び方を出来るだけ写真を多く使って説明します。
今回ここに紹介する結び方は私が実際に行っている方法で確かに緩みにくいと思いますが、他の方法も色々有ると思いますので一例と解釈して下さい。

①多くのミドルカット以上の登山靴は上から3個目位までが下の方のフックと形状が違います。私の場合写真の様に形状が変わる上から3個目のフックから靴ヒモを上から掛けて行きます。(この方が下からかけるよりも緩みにくいようです。)


②次に通常の様に左右の靴ヒモを巻き込みます。


③更にもう1度同じ動作で2回巻き込みます。
(この時点で靴ヒモ同士の摩擦が強まり緩みにくくなります。)


④こちらも通常の様に蝶々結びをしますが写真の右手の人差し指と親指で持っているループ大切です。


⑤前の写真の右手の人差し指と親指で持っていたループをこの写真の様に手前方向(靴先の方向)に引き出します。


⑥前の写真の左手の中指の所のループ(穴)に先ほど引き出したループを下から上に通します。


⑦最後に左右のヒモを引っ張って完成です。



※この方法がなぜ緩みにくいのか考えて見ましたがフックに上から掛ける事により靴ヒモがクロスする部分と左右のフックで靴ヒモの引かれる方向が3点となり摩擦が大きくなる事。また以降は通常の結び方を2重になるのでこちらも摩擦が強くなり結果緩まないのではないかと思います。

岩場での三点確保②(降り方)

次回に続きで今回は岩場での降り方について説明します。
岩場での通過では、降りるのが苦手と言う方がとても多いと感じますが、その大きな理由の一つに、足を置く所が見つけられないことがあるかと思います。よく足場を足で探るような動作をする方がいますが、残念ながら足の裏には目はありません。必ず自分の目で足場を確認して、足を置く必要があります。
もう一つ大切な事は、足を降ろす前には身体を低い位置に持っていくことです。こうすると安定した降り方ができます。
手足の動かし方を写真と文章で説明していきます。写真枚数が少なくちょっとわかり難いかもしれませんがご了承下さい。

①この写真では、すでに両手が低い位置の岩を掴んでいます。高い位置の岩を手で持っていると身体が伸びきってしまうので、足を次の足場に移動しようとしても、狭い(短い)範囲しか足を動かす事ができません。

②次に身体を低い姿勢に持っていくため、写真では腰を落としています。この際、身体の左右から次の足場を自分の目でしっかり確認します。

③確認した足場に足(ここでは左足)を移動します。わかりやすく説明すると、腰を落とす事により下半身(足)をたくさん伸ばす事ができるので、広い範囲からより良い足場を選んで足を移動できます。

④両手と片方の足でしっかり支持(三点支持)し、最後の足(ここでは右足)を移動します。
後はこれを繰り返すだけです。


ポイント

「腰を落としてから足を出すと楽ですよ」と指導した方からは、足が今まで届かなかった所に届き、足が長くなった気がすると言われました(曲げた足が伸びるのですから、当然遠くの足場に足を置く事ができるはずです)。
最初は前を向き、左右どちらかの手でやや低い位置の岩を掴んでから屈み、最初の足場を確認します。それから身体を反転して後ろ向きに降りると、安定すると思います。
よく前向きで岩場を降る方を見かけますが、これだと落ちた際には顔面から落ちていく可能性があります。後ろ向きで落ちた場合は、運が良ければザックから落ちる可能性があるので、私は後者を進めています。

※重要
掴む岩は、必ず動かないか確認してから使いましょう。自然の岩場では動く石(浮き石といいます)は、かなりあります。
また岩場を無事に通過するためには、自分自身の目・手などすべてを使って行う事が大切だと思います。

岩場での三点確保①(登り方)

今回は一般道における鎖場がない場合、もしくは不安定な鎖しかない場合の岩場の登り方について書きます(鎖場の通過方法は記載済)。
内容は、クライミングでロープを使用しないで登る技術と同じですが、色々な危険要素がある技術でもあるので、練習は安全が確保できる場所で、良き指導者に指導してもらい習得する事をお勧めします。

(1)三点確保(三点支持)とは?

岩場での基本的な登り方のことを「三点確保(三点支持)」といいます。
岩場を登る際の体勢は、両足(2点)、両手(2点)の4点で体を支持しますが、そのままでは移動できません。従って手足のうち1点だけを動かし、残り3点は安全のために支持する動きという意味です。
(梯子をイメージしてもらえれば、理解しやすいかもしれません。つまり、梯子を安全に登るためには、最初は片手を上げ、しっかり梯子を持った後にもう一方の手を上げる動作と一緒です。)

(2)手足の動かし方

写真で説明します。
①両足を揃えてスタート(実際には地面からスタートと思ってください)。

②安定して足を置ける場所を探して、片方の足(ここでは右足)を移動します。
 ※登りの際は、まず手ではなく足を上げます。

③同じように、もう片方の足(ここでは左足)を移動します。

④両足が上がったら、次に片方の手(ここでは右手)を移動します。

⑤同じようにもう片方の手(ここでは左手)を移動します。
写真では少し高い位置に手を伸ばしていますが、現実的には近い所に良い場所があればその方がいいです。近い場所に無い場合でも、写真のように踵が上がらない範囲であれば体勢は安定しています。


上に上がるまでこれを繰り返します。実に簡単な動作ですが、この動作が一番バランス的に安定します。
ただしここでは、縦走路などで出てきた高度差の少ない岩場の通過方法として説明していますのでロープを付けていませんが、高度差がある場合はロープをつけるべきです。


※注意点

まず登る前に、何処に足を置くか下でルートを確認します。
⇒これを「ルートファイデング」と言います。この際多くの方は、手の持てる所ばかりを探しますが、足を置ける所は必ず手も持てるので、足を何処に置くかの方が重要です。

先に足を安定した所に上げる事が重要です。無理に高い所に手を伸ばすと、体が伸び切って不安定になります。また踵が上がってしまい、足の一部しか岩に荷重をかける事ができません。基本登りは、足を先行させてから手を伸ばして、持てる所を持って身体をあげて行きます。

次回は降り方について書くようにします。

ストックを使用しての耐風姿勢

冬山のおける体風姿勢とは、本来はピッケルを使って行うのが正しい技術方だということを最初に理解して下さい。
但し、ストックでも同じような体勢が取れれば、ある程度は強風に耐える事はできます(ここでは6本爪アイゼンや、ストックで行ける範囲の山で使える技術として紹介します)。

最初に覚えておいていただきたいのは、強風にはある程度パターンがあるということです。
 ①連続して一定方向から吹いてくる強風
 ②ある程度の間隔を持って吹いてくる強弱のある強風
 ③色々な方向から吹いて来る強風(富士山のような独立峰であるパターンです)
このような事を理解しておけば、状況に合わせて身構える事もある程度は可能です。

よく台風では風速40mだと大型で、風速20m位だと大した事はないかと思う方もいるかもしれませんが、実際には風速20mはかなりの強風です。私は富士山で60Lのザックが空中高く舞い上がっていくのや、人が飛ばされる姿を見た事がありますが、その時の風は私の感覚では恐らく風速20m~25m位と感じました。
さらに冬の場合、足元が雪面のため、体勢を崩されてしまえば滑落の危険性がかなりあります。ですので十分に警戒した上で、下記の体勢が取れるように練習して下さい。

(1)登高中の耐風姿勢について(右利きの場合)

①歩行中、強風の前兆を感じたら立ち止まります。

②2本のストックを一度右手(利き手)でまとめて持ち、その後左手はストックの下側、右手はストックのグリップの部分(できれば先端の頭の部分を上から握る)をしっかり持つと同時に、両足を山側に向かって肩幅より広めに広げます。

③態勢が取れたら、前にうつ伏せに倒れるようにストックと両足で三角形を作るようにします。

後は風が弱まるまで耐えて、弱くなったらまた歩行開始です。


(2)下山中の耐風姿勢について

①同じように下山中も、強風の前兆を感じたら立ち止まります。

②身体を山側に反転すると同時に、ストックを登高時と同じように持ち替えます。

③山側に向かって態勢が取れれば、後は登高中と同じ動作になります。


※注意点
①6本爪アイゼンの場合は、爪が靴の中央にしかないので、あまり低い姿勢を取ると足先だけの加重となり雪面に爪が食い込まず危険です。
②ストックの場合、ピッケルより長くして使用する関係で、頭を(この場合右手)持つのは難しいかもしれません。しかし本来は、上から持つ方が支持力が高く耐風には強いと思われます。

最後に
例え6本爪アイゼンとストックであっても、完全に使いこなしてこそ装備です。購入するだけではなく、装備に見合った技術の習得が安全に繋がると思います。

雪上歩行技術②(アイゼンを装着しての歩行)

初めに

前回も同じ事を書きましたが、アイゼンの効果をより完璧にするには、アイゼン無しでの歩行が重要と考えています。確かにアイゼンは雪上、特に凍った雪の場合は安心・安全に歩くことができまるので装着することに異論はありませんが、基本の動作であるフラットフィッティングは同じです。ぜひこのフラットフィッティングを身に付けて下さい。


どこで装着?

できれば、安全な樹林帯の途中でアイゼンを装着しましょう。慣れない初心者が風の強い稜線上で、特に手袋を付けてアイゼンを付けたり、いきなり危険な場所をアイゼンで通過することは難しいです。また早く付ければ、アイゼン装着状態の良い悪いも確認できます。アイゼン歩行に慣れてから、稜線などを歩くことができるように早めに対応してください。
また下山者がアイゼンを装着している場合は、その先はアイゼンが必要な状態であると言えるかもしれません。


6本爪アイゼンの特徴

写真(下)のように、6本爪のアイゼンの爪は靴の中央にしか付いていません。12本の場合は前後にも爪がついています。従って6本爪のアイゼンは、靴の中央に重心を置くことで爪を雪面に有効に効かせることができます。このことを常に意識してください。

12本爪アイゼン
6本爪アイゼン

アイゼン歩行①  直登、斜登

樹林帯を抜けると風も出て来て、雪面も堅く締まっていることが多くなります。いよいよアイゼン歩行の本番です。アイゼン歩行の基本もフラットフィッテイングです。アイゼンの爪をすべて雪面にくい込ませるようにして歩きます。斜面が急になったら、足を逆ハの字に開いて登る方法もあります。もっと急になったら斜面を斜めに登ってください(斜め登行といいます)。その時の足の向きは山側の足が進行方向、谷側の足は爪先をやや外側に開いた足の置き方をします。

★アイゼン歩行の際、アイゼンの爪を自分のスパッツに引っ掛けないように注意してください。これによる転倒・滑落事故は珍しくありません。


アイゼン歩行②  雪と岩のミックス

岩稜帯では雪が風で飛ばされてしまうため、岩と雪が混ざったミックスの状態が多くなります。このような場所では、岩の上をアイゼンで歩くことになります。初心者の方はとても歩き難く感じるかもしれません。可能であれば、少しでも岩の所を避けて、雪面を選んで歩いた方が楽だと思います。


アイゼン歩行③ 直降、斜降

下りも登りと同じように、緩やかな下りもある程度の急斜面も、フラットフィッテイングでクリアできます。ただしもっと急になったら、斜めに下ってください。足の置き方は登り方と同じですが、谷足をさらに開き気味にしたほうが良いかもしれません。

★雪上歩行の場合、歩行とストックワークは(本来はピッケルですが)車の両輪のようなものです。こちらも十分に練習を積んでください 。

雪上歩行技術①(アイゼン無しの歩行)

この文章は昔、塩見岳(3047m)に厳冬期に行った時に私が指導した内容を後輩がまとめてくれたモノを、私が超初心者向けに書き直したものです。従って私個人の主観も多く含まれており、各自の責任で自分に合う技術であれば実践するのも良いかと思います。

(基本Wストックと6本爪アイゼンで行ける範囲の山を想定した内容です。)


アイゼン無しの歩行①  基本と緩斜面

雪上歩行の基本は無雪期と同じで、しっかり自分の足で雪面を捕らえることです。これはつぼ足でもアイゼンでも変わりません。
確かにアイゼンを使用すると、ある程度は歩行技術の未熟さをカバーはしてくれますが、個人的にはアイゼン無しでの歩行技術を完全にマスターすることが大切だと思っています。
ストックと、2本の足のどれかに荷重している状態を保ちます。但しストックに荷重をかけるのではなく、自分の足でしっかり立ち、ストックはバランスを取るぐらいと思って下さい。

滑りにくい歩き方の基本は静移動、静荷重ですが、踏み出すときにしっかりと体重移動することが大切です。踏み出した足に体重移動することを常に意識してください。
緩やかな斜面やトレースの上を歩くときは、靴底全体を雪面にのせます。
これをフラットフィッティングといいます。ポイントは、フラットに足を置くときも雪面を靴底全体で押しつけるようにしっかり踏むことです。しっかり体重がのれば、写真のように踏み跡がつくはずです。

★トレース泥棒の裏技

すでにあるステップを使うときには、既存のステップより数センチ前に足を置きましょう。後ろに置くと踵の部分がステップよりはみ出して不安定になり、結果的にステップを崩すことになります。無駄な体力を使うし、後ろを歩くメンバーも同様に疲れます。これは下りも同様です(下りでは踵をステップより少し手前に置きます)


アイゼン無しの歩行②  急斜面でのキックステップ  

傾斜が急になりフラットフィッティングでは滑るようなときは、雪面を爪先で蹴りこみます。これをキックステップといいます。
ポイントは、1回目でしっかり蹴り込むことです。よく何度もキックを繰り返す人がいますが、あれはほとんど意味がありません。靴の裏にはビブラム(ギザギザのこと)があり、これが雪面を捕えれば良いので、過剰な階段(ステップ)は必要ありません。
もう1つのポイントは、膝を中心に雪面に対し水平に蹴り込むことです。踵が上がり過ぎたり下がり過ぎていては、安定して足を置くことができません。




下りでは登りよりさらに小股で、踵からできるだけ真下に向けて蹴り込みます。写真は雪が深すぎて分かりにくいですが、この時も雪面に対し出来るだけ水平に蹴りこみことが重要になります。


特につま先が上がり気味で前方向に蹴り込むと重心が後になってしまい、スリップの原因となりますので十分に注意しましょう。

次回は、アイゼンを着けての歩行技術について書くようにします。

読図用コンパスの選び方

読図に必要な大切な用具にコンパスがあります。種類も多くどれを選んだら良いか分からないという質問もあったので、私なりにアドバイスする事にしました。

かなり前の話ですが読図の講習会に講師として参加した時、募集要項にコンパスを持って来て下さいと書いてあり、当日チェックしたら円を書く文房具のコンパスを持って来た人がいました。まあ確かに一般の方にとっては、コンパスといって最初に思いつくのは円を書くコンパスかもしれませんね。(^:^;

本題に入りますがコンパスの一番の機能は東西南北の方位を示す事です。正しい方位が分かる事により地図を正しく置く事(正置と言います)ができ、色々な情報を得る事ができます。方向を知ることだけが目的なら色々なコンパスがあります。
上段が時計に付けるタイプ・中段はGPSの電子コンパス・下段は時計に内蔵されているコンパス。





但し、上の写真のようなコンパスだけで読図をしっかり行おうとすると初心者の方ではやや困難なので、一番読図に適していると思われるコンパスとして、プレート付コンパス(代表的なものが「シルバコンパス※」)をお勧めします。回転盤や距離定規が付いており、これらの回転盤や距離定規が読図を行う上でとても役に立ちます。
※シルバ(SILVA)社はコンパスのメーカーで、シルバコンパスは登山用に使われるコンパスの代名詞になっています。



上と下のコンパスの違いは拡大レンズと全体の大きさです。確かに細かい所を読み取るためには大きい拡大レンズの方が有効ですが、私のようにもう老眼が出ていると、そこだけが拡大できても周りの細かい等高線(高さを表す細かい線の事)を読み切れません。そのため老眼鏡を出した方が見やすく、拡大レンズが大きくても私の場合はあまり意味がありませんでした。コンパス自体も大きくなってしまうので、私の場合は少し小型の方を多く使用しています。
(但し、若く老眼など無縁で視力の良い方には、拡大レンズの大きい方が良いかもしれません)。

価格的には3000円~4000円位でしょうか?購入後も乱暴に扱うと私の下の写真のコンパスのように泡が出たりして正しい方位を示さなくなるので、大切に使いましょう。

アイゼン6本爪(ラチェットタイプ)装着方法

今シーズン、冬山初心者向けのツアーを担当することになりました。先日お客様から、6本爪アイゼンのラチェットタイプの装着方法がよく分からないという相談があったので、簡単ですが書くことにしました。

アイゼンの装着場所と装着方法

①周りの安全確認をします。
 急斜面や狭い場所は避けた方がよいかと思います。
②山側に、自分の靴よりかなり大きめに雪を踏み固めます。
 (理由は、山に対し後ろ向きだと、上からの落石や雪崩への対応が遅れます。また靴より大きめに周りの雪を踏み固めて置くと、装着がしやすくなります)
③ストック等で、靴についた雪をできる範囲で落とします。
④踏み固めた雪の上にアイゼンを置きます。
 写真は、上が靴のつま先側、下が踵側です。バックルが外側に来るのが正しいので、この写真は右足のアイゼンになります。


⑤先に踵側から靴にぴったり合うようにセットします。


⑥足首側から、バンドをバックルにある程度締まるまで通します。


⑦前方のベルトも同様にバックルに通していきます。


⑧足首側から写真のようにプラスチックの部分を持ち上げると、ベルト少しずつ締まっていきます。


⑨靴にしっかり密着する位に装着できたら完成です。


⑩解除するには、写真⑧の指を掛けた反対側のプラスチックの部分を持ち上げると、簡単に解除できます。

その他の注意事項

①上部が柔らかい登山靴に装着する場合は、締め過ぎに注意しましょう。
 (凍傷の原因にもなります)
②装着する場合は、必ず薄くても良いので手袋をして装着しましょう。
 (氷点下で直接金属を素手で触ると、最悪皮が剥がれて凍傷になる場合もあります)
③現地で装着する前に、家で手袋をつけて短時間で装着できるまで練習をした方が良いかと思います。

鎖場の通過方法について

鎖場って、苦手だと鎖を見ただけで緊張する人、鎖を見るとウキウキする人など、色々なお客様がいます。
鎖場の多いコースのツアーを担当する事も有り、もしかしたら少しはお客様のお役に立つかと思い、書くことにしました。
但し、ここに書く内容は私の個人的意見も多く含まれていますので、各自の責任で判断して参考にして下さい。

(1)鎖のメリット&デメリット

メリット
● 新しい鎖の場合は、安心感を与えてくれる。
● 良い手がかりや足がかりが無い時に、鎖につかまることにより、滑落や墜落防止に役立つ。
デメリット
● 初心者の方は鎖を安易に信用する傾向があり、抜けそうな物、あるいは切れそうな物(トラロープなど)にもしがみつくことがある。
● 鎖だけに頼ると、体のバランスを崩し、振られてしまう場合もある。

(2)鎖を使う場合の注意点

● 支点から支点の間は、(下の写真)つかまるのは1人ずつがベスト。
 ⇒1人が滑って振られると、もう1人も振られてしまい非常に危険です。


● 利用する鎖やロープが、人がつかまっても安全な強度があるか、必ず確認して使用すること。
● 鎖場が何ヶ所も続く場合は、ストック等はザックに収納する。
 ⇒いつでも鎖をつかめるように両手を自由にしておいた方が、安全な場合が多いと思います。
● 場所にもよりますが、できれば鎖は片手で利用し、もう片方の手は信頼できる支点をつかむ。
 ⇒鎖は揺れる物と認識して使用してください。揺れたときにバランスを崩さないために、もう一方の手は動かない岩や樹木をつかんで昇り降りすると良いかと思います。
● 鎖を多くつかむと岩と鎖の間に手が挟まって怪我をすることもあるので 滑り難い手袋を使用するのも方法の1つです。

(3)鎖場の歩き方

登り方
● 登る前に、何処に足を置くかを考えて登りだすこと。
 (手は鎖をつかむという想定で書いています)
● 手を伸ばすことよりも、足を先に上げることを優先すること。
 ⇒手が高い所に伸びてしまうと、体全体が伸び切ってしまい、スリップすることがあります。

下り方
● 難しいと思ったら後向きに降りること。
 ⇒前向きだと頭から落ちる可能性が高いですが、後ろ向きだとザックから落ちて怪我を最小減に抑える可能性があります。
良くない
● 足場は必ず自分の目で確認して足を置くこと。
 (よく足の裏で置き場を探す方がいますが、足の裏には目はありませんよ。)(^:^)


トラバース(横移動) 
 ※このような場所の鎖場は片側が切れている(崖)場合が多いかと思います。
● 恐怖心を少しでも減らすために、まずは下を見ないのもありかな(笑)
● できれば鎖はバランス保持程度に考えて、自分の足でしっかり通過すること。
 ⇒このような場合は鎖につかまった腕に全体重をかけるのではなく、補助として使用して、足でしっかり岩場に立つ事が大切です。
※難易度が高ければ、山側を向いて1歩1歩足を出しては揃えていく方法もあります。

●積極的に鎖を使用する場合は、先ほどと逆に鎖はたるませずに体重をしっかり掛けて降りますが、この場合は一番傾斜のキツイ方に体がもっていかれる事を自覚して鎖を使用してください。


正直私の場合は、鎖を使う事は少ないです。それは鎖よりも、自分で確認した動かない岩や樹木、そして何よりも正しい位置に置いた自分の手足の方が信頼できるからです。
もちろん、安全を確認した鎖なら積極的に使うのは当然な行為で、安全登山に繋がります。

本来はクライミング技術の応用で、三点支持や登りは足が先行、下りは手が先行なども書きたい所ですが、今回は鎖を使用した場合という内容で書いていますので、この点についてはチャンスがあれば次回にでも書くようにします。